「御神幸武器行列」は、毎年10月15日に「新見船川八幡宮秋季大祭」の一つとして古式ゆかしく行われます。元禄10年(1697年)、関備前守長治(せき-びぜんのかみ-ながはる)が初代新見藩主として1万8千石の格式をもって津山より移封された当時の、お国入りの様子を写し伝えられたもの。青竹を手にした二人の先払いを先頭に、白熊(はぐま)、お対道具(おついどうぐ)と呼ばれる大槍、薙刀、鉄砲、弓、長柄と呼ばれる槍、大旗、馬印、御神馬など総勢64人の行列が御旅所までの1.5Kmを往復します。この大名行列は、昔時のしきたりを忠実に継承しており、それは300年を経た今日なおそのまま。その格調と長い伝統から新見市無形文化財にも指定されています。「下アーン、シターン」という下知の声に合わせ厳粛に進む行列に、沿道の見物客も下座して迎える習わしで、別名「土下座祭」と呼ばれることも。見物客が立ち上がったり列を横切れば、行列は一歩も動かなくなり引き返すこともあるなど、頑なまでに古式を守る珍しい行事です。

(協力:新見大名行列保存会)